インフルエンザ脳症の症状と治療について。インフルエンザ脳症の治療に使用する抗ウイルス薬「タミフル」と異常行動の関係。「タミフル」の現状と注意点
インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症の中で最も重い症状です。
インフルエンザ脳症はインフルエンザウィルスにより脳が炎症を起こすものですが、
詳しい原因はまだ解明されていないのが実情です。
インフルエンザ脳症は「インフルエンザに伴う急性の意識障害」と定義されています。
インフルエンザ脳症の神経症状の中で最も重篤な意識障害が現れた場合、
後遺症が残ったり、最悪の場合命を落とすケースも見られます。
インフルエンザの脅威は普通の風邪と異なり、インフルエンザ脳症をはじめとする
肺炎や中耳炎などの合併症をひきおこし易いことにあります。
インフルエンザ脳症の初発症状はインフルエンザ罹患時にけいれんをおこしたり、
異常行動や異常言動などの神経症状から始まる場合がほとんどです。
インフルエンザ罹患時に意識障害、けいれん、異常行動、異常言動などの神経症状が
見られた場合は、インフルエンザ脳症を疑い、速やかに医師の治療を受けることが重要です。
インフルエンザ脳症の治療は確立していませんが、早期にけいれんを止めるなどの処置は
重要とされています。
お子様が急な発熱とともにインフルエンザ脳症の疑いのある神経症状や普段と
と違うと感じる異常行動などが見られたら、早急にに専門医を受診することが大切です。
インフルエンザの流行する恐れのある季節は当番医や地域の小児救急医療体制など
事前に確認しておくと安心です。
インフルエンザは発熱に伴い異常行動をおこしやすい病気です。
意識がぼんやりしたり、意識がなくなり、うわごとを言ったり興奮
したりする、普段と違うとっぴな行動をとる、幻視が見える、妄想などがあります。
インフルエンザによる異常行動は、多くの場合は心配のない一時的な「熱性せんもう」という状態です。
しかしインフルエンザ脳症かどうかの判断はなかなかつきかねないものがありますが、インフルエンザウイルスの感染に伴い、明らかな意識障害が見られる場合、つねってみても痛みや刺激にまったく反応しない場合は、インフルエンザ脳症で手遅れにならないためにも、速やかに専門医を受診しましょう。
インフルエンザ脳症の初期症状
■異常な泣き方をする。
突然奇声を発したり悲鳴を上げたりする。
異常に怯える。恐怖心が現れ「助けて」等と叫んだりする。
突然意味不明のことをしゃべったり、歌を歌う
自分の名前が言えない。
■視力の衰えや幻覚、幻聴
家族が近くにいるのに認識しない。
消えているテレビを見て「おばけがいる」と口走ったり、自分の手を
見て「お肉がある。」などと言う。
■表情の変化
目の焦点が定まらない
目が上を向いたままになる。目がつりあがる
■異常行動
立てない、おんぶしてもつかまれない。
頭をぐるぐる回したり、狂ったように暴れる
■呼びかけ
嘔吐を繰り返し、ずっと眠リ続ける。
呼びかけると反応するが、開眼していられない。
インフルエンザ脳症やインフルエンザ脳炎の初期症状を早期に発見するためには、インフルエンザの治療開始後は保護者の方は少なくとも2日間はお子さんから目を離さず、十分に観察することが大切です。
タミフルとは、A型インフルエンザ、B型インフルエンザに有効な抗ウイルス薬です。
タミフルには粉薬とカプセルがあります。1歳以上のお子さんから使用できます。
タミフルは当初製薬会社でも在庫切れになるくらい需要がありました。
2006年から2007年にタミフルと異常行動の関連性についてマスコミの報道や、厚生労働省の緊急安全情報発出などにより、タミフルはインフルエンザの患者や家族から敬遠される傾向にあります。
しかしインフルエンザはもともと高熱に伴い異常行動をおこしやすい病気です。
インフルエンザウイルスの影響で意識がぼんやりしたり、意識がなくなり、うわごとを言ったり興奮したりする、、幻視、幻聴、けいれんなどの異常行動が見られることはしばしばあります。
最近の研究ではインフルエンザにかかった子供の1.5%に「熱性せんもう」が起こると言われており、これらの異常行動の多くは心配のない一時的な「熱性せんもう」という状態です。
タミフルが発売される以前からインフルエンザ脳症やインフルエンザ脳炎の初期症状として「熱性せんもう」による異常行動が見られる事が解っています。
今のところ、タミフルはA型インフルエンザ、B型インフルエンザに有効な抗ウイルス薬として使用されており、「9歳未満は使用できるが、タミフルを使用した場合には異常行動の恐れが
あることを家族に説明すること」が義務づけられています。
タミフルは注意事項を守って服薬すれば、9歳までの子供や成人には処方できます。
その一方で、タミフルは10歳代のタミフル服用後の転落・飛び降り事例に関する副作用報告があったことを踏まえ「10代の患者さんには原則として使用を差し控える」という厚生労働省
からの指導があります。
タミフルはインフルエンザ脳炎の10歳代の方に使用できない抗ウイルス薬ではありません。「10歳以上の未成年は、合併症、既往歴などからハイリスク患者とされる場合を除いて原則として使用を中止」する事とされています。
インフルエンザの治療にタミフルを使用する場合は、専門医師の注意事項をしっかり確認し、理解したうえで異常行動に注意し、少なくとも2日間はお子様を一人にしないように配慮しましょう。
インフルエンザの抗ウイル薬として、タミフルの代わりに使用する薬には、リレンザとシンメトレルがあります。
リレンザは吸入する抗インフルエンザ薬でパウダー状になっており、自分で口から投薬します。5歳以上のお子さんで、上手に吸入できる場合は有効です。リレンザはA型インフルエンザ、B型インフルエンザ両方に効果があります。
シンメトレルはタミフル発売前から使用されていたA型インフルエンザにのみ有効な抗インフルエンザ薬です。薬の量が少なく内服しやすいのですが、B型インフルエンザには効かない、という欠点があります。
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